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2010年05月30日

いちばん「大きな」星

星空ガイドをやっていると、特に小学校の男の子から質問を受けるのが、「いちばんXXな星ってどれ?」というものです。

XXには、「大きい」「小さい」「重い」「遠い」「近い」等の言葉が入りますが、時には「悪い」「楽しい」とかを入れられることもあって、そういう時は困ってしまいます。 ^^;

今日は、その中でも「一番大きな星」を取り上げてみようと思います。

太陽の直径は139万2千km。もうこれだけでも想像がつきません。ざっくり地球の直径の109倍です。新幹線でも一周するのに600日を超えます。こんなに大きな太陽ですが、地球からみえる恒星と比較すると標準サイズです。

いちばん「大きな」星先ずは一年中見ることができる北極星(ポラリス)。こぐま座の尻尾の先にある、天の北極に近い恒星で、北の目印になります。
大きさは太陽の30倍です。新幹線で一周するのに50年。でも、これでもちょっと大きめといったところでしょうか。

いちばん「大きな」星はくちょう座のデネブは、おりひめ星・ひこ星と、このデネブで有名な夏の大三角を作る有名な星です。大きさは太陽の300倍、ここまで大きくなると人間が一生で一周することは不可能。><

いちばん「大きな」星はさそり座のアンタレス、ときどき火星がこの星の近くをとおり、互いに赤さを競っているように見えることから、ギリシャ語で、「アンチ・アーレス(火星に対抗する物)」として名づけられました。大きさは太陽の700倍・・・もうわけわからん大きさです。

いちばん「大きな」星そして冬の星座で代表的なオリオン座にも大きな星、ベテルギウスがあります、こちらは太陽の630倍ぐらい。これもアンタレスと同じように赤い星ですね。有名な星座の有名な形の一部を構成している星なので、誰もが見たことがあると思います。冬になったら、是非その大きさを思い出しながら見てみてください。

さて、ここからはまた、桁違いになります。

いちばん「大きな」星耳慣れない星座だと思いますが、ケフェウス座のガーネットスターという星があります。4等星ですので街中ではみることがほぼ無理。郊外でとても空気が澄んでいる時に望遠鏡で覗くと、恐ろしい程に赤い星であることがわかります。大きさは太陽の1400倍。ガーネットスターを太陽の場所に置いたら・・・地球はもちろん木星まで呑み込んでしまう大きさです。><

最後に、今発見されている一番大きな星を紹介します。
おおいぬ座のVY星、大きさは太陽の2000倍、土星まで呑み込む大きさです。光で一周するのに8時間!って何?! 新幹線でこの星を一周するのに1万年かかるってどうよ?その大きさの地球なら障害物と大気の影響さえなければ、東京タワーからニューヨークの自由の女神が(距離はそのままとしたら)余裕で見えますね^^;

さて、大きさの話をしたら、やっぱりこう質問されます。「近い月や太陽なら何となく測れそうだけど、遠い星の大きさってどうやって測るの?」
答えは離れた2点から観測した、その星の光の干渉縞によって測ることができるのです。干渉縞が細かいほど視直径(見た目の直径)が小さいのですが、かなり専門的なお話になりますので、機会があればお話しさせていただきます。

そういえば、星の距離の測り方のお話もしてないなぁ・・・ ま、いいか。^^;




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この記事へのコメント
こんばんは!

私の日常的な尺度では推し量れない宇宙の大きさ、広さ。
今日の解説で、少しわかったような気がします。

無限の宇宙、そして生命の神秘も人知をはるかに超えたところに
あるんですね。改めて感じます。

どんどん書きまくってください。
すごく楽しいです!
Posted by yokappe at 2010年05月30日 20:57
どもぉ~♪

大きい星で赤い星はお爺さん星?
爆発寸前の星は膨張するって昔、何かの本で読んだ記憶があります。

やがて散り逝く星達やガスの中で生まれたばかりの星達は
どんな変化をしていくのでしょうかね~?

それにしても・・・桁がでかすぎて星の大きさが見当つきませんww
Posted by satodoo123satodoo123 at 2010年05月31日 21:17
yokappeさん。こんばんわっ

ほんとうに、天文関連って普段の尺度では想像もつかないサイズのものが(大きさ・距離など)が出てきますね。 ^^;
そのたびに、理解するのが大変です。

今日は一休みで、IISの話題に逃げてしまいました。><v
Posted by ぱんいち at 2010年05月31日 22:20
satodoo123さん。こんばんわっ。

そうそう、大きい赤い星はお爺さん星です ^^
そのうちに周りにあるガスが飛散して惑星状星雲等に変わっていきます。(惑星状星雲はまたあらためて・・)

今回紹介したオリオン座のベテルギウスも400~500光年離れていますので、実はもう無くなっているかもしれませんね。 ><

崩壊して拡散されたチリやガスが新たな星を生み出すための材料となり繰り返されて行くのですね。

爆発の話がありました。地球では鉄や金・銀などの金属が存在しますが、これらは地球で作られたものではなく、このような巨大な恒星の大爆発によってしか生成されないのが判っているので、今目の前にある金属は全て大昔に恒星から生まれたものだと聞いて、びっくりしたことがあります。

鉄のフライパンでも、地球よりも古い何十億年の歴史の塊なのですねぇ~ ^^;
Posted by ぱんいち at 2010年05月31日 22:36
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