キャンプと星空と・・ときどき猫

星空ガイドをするときに良くある質問ですが、「月は、何故同じ面を地球に向けているのか？」です。

yokappeさんが月の自転のコメントをくださったこともあって、月の裏側が見えない理由を書いてみます。
月は、ご存じのとおりいつもウサギの絵が描かれている(^^;)面を地球側に向けて裏側を見せてくれません。地球のまわりをグルグル回っていながらいっつも見た目はウサギなのです。

これは、月の自転と月が地球を回る公転周期が同じだからそうなるのですが、「なぜそうなるの？」と疑問がわきます。とても自然な疑問ですよね。私もとっても不思議でした。

答えは、簡単。ヒントは「おきあがりこぼし（起き上がり小法師）」にあります。ちょうどウチにも猫様のおもちゃとして、ひとつあったので、写真を撮ってみました。あらためてじっくり見てみるとかわいいなぁ。。

「おきあがりこぼし」は、動かすとゆらゆら揺れて、最後にまっすぐ立ちます。地球の引力に引っ張られて、重心がある底の方が下になって、立つのですね。月も全くこの原理と同じで、月自体の重心が月の中心からずれていることから、重心の寄った側が地球の引力で引っ張られていつも同じ面を地球に向けているのです。

でも、「おきあがりこぼし」もそうですが、直立する直前の最後の方は少しだけゆらゆらしていますよね。それと同じように月も実はちょっとゆらゆらしています。これを「月の秤動（ひょうどう）」と言って、地球からみると少し首を左右に振る感じで動いています。ですので、正確には半分（50%）だけ見えているのではなくって、60％弱が地球から観測することができます。地球誕生の46億年前ぐらいにできた月は、抵抗や摩擦も少ないことから、まだ落ち着かないで、ふらふらしているのですね♪

さて、興味深い月の裏側ですが、GoogleEarthの天体モードなどで見ることができます、意外とのっぺりしていて、寂しい感じです。地球に向けた側は、地球＋月の共通重心に引きつけられた隕石たちが衝突する可能性が高いので、沢山のクレータを見せてくれるのだと思います。